ハイエースワゴンに設置できるベッドキットとは?メリットや価格、注意点を紹介
ハイエースワゴンは、その広い車内スペースと多用途な使い方が魅力です。
特に、車中泊やアウトドアを楽しむ方には、その空間を最大限に活用したいと考える方も多いでしょう。
そこでおすすめなのがベッドキットです。
車内をフラットにし、快適な睡眠空間を作れるだけでなく、収納スペースとしても有効活用できます。
本記事では、ベッドキットのメリットや設置方法、選び方などを詳しく解説します。
ハイエースのワゴンタイプに適したベッドキットを探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
ハイエースワゴンの種類
ハイエースワゴンは、ハイエースの中でも乗用車向けに開発された車です。
乗車人数は最大10人となっており、大人数で使用したい方にぴったりな車と言えます。
ここでは、ハイエースワゴンのグレードの種類や、それぞれの特徴を紹介していきます。
グレードは3種類
ハイエースワゴンのグレードは以下の3種類あります。
・DX
・GL
・グランドキャビン
また、それぞれのグレードには、2WD、4WDの2つの駆動方式から選択可能です。
グレード別スペックと特徴
グレード別で比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。
ハイエースワゴンのグレード別のスペックは以下の表のとおりです。
【グレード別比較表】
グレード | DX | GL | グランドキャビン |
ボディ長 | ロング | スーパーロング | |
ボディ幅 | ワイド | ||
ルーフ形状 | ミドルルーフ | ハイルーフ | |
エンジン | 2.7L直立4気筒ガソリンエンジン | ||
駆動方式 | 2WD・4WD | ||
車両重量(kg) | 1,930 | 1,970 | 2,040 |
燃費(km/L、WLTCモード) | 2WD:8.8km/L
4WD:8.1km/L |
||
全長(mm) | 4,840 | 5,380 | |
全幅(mm) | 1,880 | ||
全高(mm) | 2,105 | 2,285 | |
ホイールベース(mm) | 2,570 | 3,110 | |
室内長(mm) | 3,525 | 3,715 | 3,525 |
室内幅(mm) | 1,730 | 1,695 | |
室内高(mm) | 1,390 | 1,565 |
参考:トヨタ ハイエース主要諸元表「ワゴン・コミューター」
スペック表で比較すると、エンジンや駆動方式は同じものの、サイズに大きな違いがあることがわかりました。
たとえば、全長で見るとDXとGLのサイズが、4,840mmに対し、グランドキャビンは5,380と500mmほどの違いがあることがわかります。
また、GLに関しては、全長がグランドキャビンより小さいサイズにもかかわらず、室内長はグランドキャビンより大きいサイズです。
では、次章よりグレード別に見たそれぞれの特徴を紹介していきます。
ベーシックグレード「DX」
ベーシックグレードである「DX」は、装備を絞って価格を抑えたモデルで、2WD車なら300万円以下で購入できます。
装備は必要最低限で、商用バンのシンプルさが感じられますが、その分カスタマイズしやすいのが特徴です。
例えば、ドアミラーは手動で、スライドドアやバックドアにイージークローザーは搭載されていません。
フロントエアコンもマニュアル式です。
また、ハイエースワゴンは日本や海外で非常に人気が高く、盗難が多いため、全グレードに盗難防止システムが標準装備されています。
使いやすさと快適さが高い「GL」
「GL」は「DX」よりも使い勝手が向上しています。
主に、以下の装備が変更され、より上質な印象のハイエースになります。
・リアサイドやバックドアのガラスがプライバシーガラスに変更
・外装にフォグランプやカラードバンパー、メッキパーツが追加
・ドアミラーは電動格納式
・エアコンはプッシュ式のオートエアコンに改良
・アクセサリーコンセントも標準装備
スライドドアとバックドアのイージークローザーは標準装備され、パワースライドドアはオプションです。
また、シート配置は「DX」と異なり、1・2・3列目が各2名、4列目が4名座れます。
さらに、「GL」には最後列のシートを跳ね上げて収納できる「スペースアップシート」が採用されています。
最上位グレード「グランドキャビン」
最上位の「グランドキャビン」は、スーパーロングボディとハイルーフ仕様が特徴です。
「DX」や「GL」のロング、ミドルルーフよりも車両サイズと重量が最も大きいです。
全長がどのグレードより長いため、4列目シートの後ろに十分な荷物スペースが確保されていますが、これは「DX」や「GL」にはないスペースです。
装備内容は「GL」とほぼ同じですが、最後列シートが跳ね上げできないことや、コンセントが3列目シート脇の壁に追加されている点が違ってきます。
ハイエースバンとの違い
ハイエースには、ワゴンタイプの他にバンタイプもありますが、2つの違いについても紹介しておきます。
バンタイプは、元々大量の荷物を載せられる商用車として開発された車です。
2列目以降が荷室になっており、ワゴンタイプより大量に荷物を載せられます。
一方、ワゴンタイプは大人数乗車できるように作られた車両です。
バンのように座席の数を変更できるグレードはなく、より快適に人を乗せることに特化しています。
また、それぞれ乗り心地も異なります。
バンタイプは、荷物をたくさん載せられるように設計されているため、足回りも硬めになっています。
段差や凹凸での衝撃が大きく、乗り心地が良いとは言えません。
反対にワゴンタイプは、人をたくさん載せられるように設計されているので、足回りは柔らかく、バンと比べて乗り心地は良いと言えます。
ハイエースワゴンに設置できるベッドキットってどんなアイテム?
ここからは、ハイエースワゴンに設置できるベッドキットについて紹介します。
そもそもベッドキットとは?
ベッドキットとは、車の後部座席に取り付けられる簡易的なベッドのことを言います。
ベッドキットといっても種類は1つだけではありません。
ハイエースはもちろん、SUVや軽ワゴン用まであり、手軽に寝転んだり就寝用として使ったりできます。
また、テーブルが取り付けられるタイプや、収納スペースを確保できるタイプ、カスタムができるものなど、豊富な種類から選べるようになっています。
10人乗りでも設置できる
ベッドキットは、ハイエースバンや軽ワゴンなどに取り付けるのが一般的ですが、10人乗りでも設置可能です。
たとえば、ハイエースワゴンは10人乗りですが、4列目シートは折りたためるので、空いたスペースにベッドキットを設置できます。
空いたスペースに荷物も載せられるので、余計な心配をしなくて済みます。
4列目シートと一体化してフラットなベッドに
その他にも4列目シートと一体化してフラットなベッドにできるタイプもあります。
こちらのタイプは、4列目シートが折りたためなくても使用できるようになっており、3列目の座席後方部と4列目シートを繋げて使うことができます。
横になって使用するのはもちろん、4列目シートに足を伸ばして、のんびり座ることも可能です。
ベッド下を収納スペースとして利用可能
ベッドキットの中には、ベッド下を収納スペースとして利用可能なタイプもあります。
特にワゴンタイプは、シートの取り外しができないので、収納スペースも狭くなりがちです。
しかし、収納ができるベッドキットなら、ベッド下に空いたスペースに荷物を保管できるため、ワゴンタイプには重宝します。
未使用時には格納可能
ベッドキットは一度取り付けると外すのが面倒だと思われがちですが、多くのタイプは簡単に取り外すことができます。
中には折りたたむだけで使えるタイプもあり、展開した状態でも折りたたんだ状態でも使えるものがあります。
乗車人数に合わせて折りたためるタイプも
ベッドキットには、乗車人数に応じて簡単に折りたためるタイプもあります。
たとえば、荷物を積む際や人を多く乗せる場合には、ベッド部分をコンパクトに折りたたんで、車内のスペースを確保することが可能です。
逆に、乗車人数が少ない場合には、ベッドを広げて快適な寝床を確保できるので、旅やアウトドアシーンでの活用に非常に便利です。
【こんな人におすすめ!】ハイエースワゴンにベッドキット取り付けるメリット
ベッドキットにどのような特徴や種類があるのかがわかりました。
しかし、どんな人におすすめなのかなのでしょうか。
ここでは、ハイエースにワゴンにベッドキットを取り付けるメリットとおすすめな人を紹介します。
収納スペースと寝るスペースを確保した人
ベッドキットは、種類にもよりますが、寝るスペースに加えて収納スペースが確保できる特徴があります。
基本的には上段と下段に分けられるようになっており、上段には寝るスペース、下段には収納スペースを確保できます。
この構造により、旅行や車中泊で必要な荷物をすっきり収納しながら、快適な睡眠環境を作ることが可能です。
長距離ドライブする人
長時間ドライブする方は、手軽に休憩できるスペースが欲しいと思う方も多いでしょう。
ベッドキットは、手軽に寝転べるほどのスペースを確保できるので、移動中に疲れた際もすぐに体を横にしてリフレッシュできます。
また、休憩スポットや宿泊場所を探す手間も省けるため、長距離の旅でも自由なスケジュールで行動できるのが魅力です。
日常使いもしたい人
ベッドキットは、日常使いしたい方にもおすすめです。
種類にもよりますが、簡単に折りたたんだり取り外したりできるため、普段の買い物や通勤、子どもの送り迎えなど、通常の車としても問題なく使用可能です。
また、収納スペースとしても活用できるため、大きな荷物を運ぶ際にも役立ちます。
大人数で使用したい人
ハイエースワゴンにベッドキットを設置しても、大人数での使用は十分可能です。
ベッドキットは、使わないときには簡単に折りたたんだり、コンパクトに収納できる設計になっているため、乗車スペースをしっかり確保できます。
たとえば、移動中はベッドキットをたたんで通常の座席として使い、必要な時に広げて寝床として利用することができるので、大人数の移動にも問題ありません。
さらに、ベッドキットの一部を展開したまま座席を使用できるタイプもあり、荷物や寝具の収納スペースを確保しながら、快適に大人数でドライブを楽しむことができます。
子どもがいるファミリー
子どもがいるファミリーにとって、ベッドキットを取り付けることは、移動中や旅行先での快適性が大幅に向上します。
ドライブ中に子どもが疲れた時やお昼寝が必要なときに、広々としたベッドスペースを活用することで、子どもがゆっくり休むことができます。
また、車内での着替えやおむつ交換、遊び場としても使えるため、長時間の移動でも子どもが快適に過ごせます。
ハイエースワゴンにベッドキットを設置する方法と注意点
ベッドキットを設置する方法は、以下の3つがあります。
・カスタムショップに依頼する
・DIYする
・初めから設置されている車を購入する
それぞれ詳しく紹介します。
カスタムショップに依頼する
カスタムショップは、手軽にベッドキットを取り付けたい方におすすめの方法です。
プロに任せることで、安心して高品質な取り付けをしてもらえます。
最近では、ハイエース専門のカスタムショップも増えてきており、ハイエースに特化したノウハウを持つスタッフが対応してくれるため、車両に最適なカスタムを提案してもらえます。
また、お店には豊富なカスタムパーツが揃えられているので、自分の好みに合わせたカスタマイズも可能です。
なお、カスタムショップに依頼する場合の費用相場は、工賃を合わせて10万円程度です。
DIYして設置する
DIYでベッドキットを設置するメリットは、コストを抑えられるところです。
既製品のセットを購入して自分で取り付けるか、1から材料を揃えて作るかの2つの方法があります。
既製品を使えば取り付けが簡単で、1から作る場合は自由にカスタマイズ可能です。
ただし、それなりの技術や専門知識が必要となるため、難易度は高めです。
工具の扱いや車内構造を知る必要があり、失敗することがあるのも認識しておいた方が良いでしょう。
なお、DIYして設置する場合の費用相場は、こだわり具合にもよりますが、安くて5万程度、高くて20万円程度でしょう。
ベッドキットが備えられた車を購入する
ベッドキットを設置する方法には、初めから備え付けられている車を購入するのも選択の1つです。
初めから備え付けられている車なら、DIYする必要もなくベッドキットを選ぶ必要もありません。
そのため、手間や時間をかけることなく手に入れられます。
ただし、価格がそのほかの2つよりも高くなってしまうところがデメリットです。
価格相場は、車両価格を含めて200万〜500万以上はかかることを覚えておきましょう。
ナンバーによっては車検に注意する
ベッドキットを取り付けたい方の中には、車検が通るのか気になる方も多いのではないでしょうか。
実は、ベッドキットを取り付ける際は、ナンバーによって車検に通らない車があります。
1・4ナンバーの場合
「貨物車」にあたる1と4ナンバーは、簡単な取り付けで設置可能なベッドキットであれば、荷物として扱われるため、取り付けたままで車検に通せます。
3・5ナンバーの場合
乗用車(3ナンバーや5ナンバー登録車)にベッドキットを取り付ける場合、安全面で保安基準を満たすために、ボルトや溶接でしっかりと固定しなければなりません。
また、ベッドキットを取り付ける際に座席を外すと、乗車人数が変更されたとみなされ、保安基準を満たさなくなり、車検に通らなくなります。
ただし、ベッドキットを取り付けた後に構造変更手続きを行えば、車検に通すことができます。
ハイエースワゴンは3ナンバー
ハイエースのワゴンは、乗用車にあたる3ナンバーです。
先ほどお伝えしたとおり、ベッドキットを取り付ける際は、ボルトや溶接でしっかり固定しなければなりません。
また、座席を外す場合も構造変更を行う必要があるため、覚えておきましょう。
ハイエースワゴン用のベッドキットの価格
ここからは、ハイエースワゴン用のベッドキットの価格を紹介します。
ベッドキット本体の価格
ベッドキット本体は、主にハイエース専門のカスタムショップで手に入れられます。
価格は、236,500円〜605,000円程度です。
カラーや種類によって価格が異なりますので、よくチェックしてから選びましょう。
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ベッドキットが備えられた中古車の価格
ベッドキットが備え付けられた中古車の価格は、249.8万〜459.8万円です。
価格は車両の年式や取り付けられているベッドキットの種類によって変動します。
ベッドキットの種類や車両の状態を考慮し、長い目で見てコストパフォーマンスを検討することが大切です。
ベッドキット以外に取り付けたいカスタムパーツと便利グッズ
ハイエースワゴンに取り付けられるパーツは、ベッドキットだけではありません。
ここからは、ベッドキット以外に取り付けたいパーツを紹介します。
カーゴマット・フロアマット
カーゴマットやフロアマットは、車内の床面に敷く汚れ防止アイテムです。
キャンプや釣りなどをしたときに、汚れた道具をそのまま床面に置いてしまうと、車内が汚れて掃除が必要になります。
しかし、カーゴマットやフロアマットがあれば、汚れてしまっても拭き取りのみで落とせるので、あると便利なアイテムです。
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システムラック・ルーフラック
システムラックやルーフラックとは、ハイエースの上部に取り付けられるラックです。
上部に道具を積載できるので、バンタイプより収納スペースが少なくなるワゴンタイプには、必須のアイテムと言えるでしょう。
フリップアップテーブル
ハイエースワゴンで食事やリモートワークをしたい方には、フリップアップテーブルがおすすめです。
フリップアップテーブルは、1席目の後方部に取り付けられ、上げ下げするだけで簡単に設置と片付けができます。
特に車中泊をする方には非常に便利で、食事や作業を快適に行えるスペースを確保できます。
LEDライト
夜間よく使用する方にはLEDライトがおすすめです。
室内灯だけで対応する方もいますが、室内の光は思った以上に足りないことが多いです。
また、室内灯は持ち出しができませんが、LEDライトであれば夜間トイレや買い物に行くときに持ったまま移動できます。
遮光カーテン・目隠しシェード
横になって休憩したり、車内泊をしたりするためにベッドキットを使用する方は、プライバシーの確保や外からの光を気にすることが多いでしょう。
遮光カーテンや目隠しシェードは、プライバシーの確保を簡単にでき、外からの光も遮断できます。
また、日差しが強い時期なら、暑さ対策としても活躍するので、あると便利なアイテムです。
ポータブル電源
車内泊やキャンプでハイエースを利用する方に多いのが、「電化製品が使いたい」というニーズです。
ポータブル電源があれば、コンセントやUSBを使用できるので、電化製品はもちろん、スマホやパソコンの充電も行えます。
最近のものなら容量も大きいので、電子レンジや小型の冷蔵庫なども使用可能です。
ポータブル電源で電化製品を使用できれば、快適性をさらにあげることができるでしょう。
まとめ
本記事では、ハイエースワゴンに取り付けられるベッドキットについて、その基本的な特徴からメリット、価格、そして取り付け時の注意点まで幅広く紹介しました。
ベッドキットを導入することで、車内の空間を最大限に活用し、快適な移動や車中泊を実現可能です。
また、選び方や取り付け方法によっては、収納スペースや人数に合わせた設置方法など、さまざまなシーンに合わせた使い方ができます。
自分のライフスタイルや用途に合ったベッドキットを選ぶことで、ハイエースワゴンの使い勝手がさらに広がります。